2022年1月20日に、オンライン不動産取引マーケットプレイスである「RENOSY(リノシー)」より、「20代の投資割合調査」という報告がありました。
調査後の報告によると、2022年現在では20代でも70%以上の人たちが「友人・知人と資産形成・運用に関する話をする」ことがわかっています。
私のサイトでも定期的に登場している、2019年に起こった「老後2,000万円不足問題」の話や、2020年にパンデミックとなったコロナによる先行きの不透明さ。さまざまな問題や不安により、多くの人が「投資」に注目しているのではないでしょうか。
アメリカ、イギリス、スイス、シンガポール、香港などの金融先進国では「小さい頃から義務教育で金融を学んでいる」状況です。
日本は金融教育に関して諸先進国に比べて遅れているものの、それでも多くの人が投資に興味を示しています。今回は、20代〜30代の投資割合や平均的な貯蓄額、最適なポートフォリオなどについて解説します。
RENOSYの調べでは、20代のほかに50代の方たちの投資・資産運用事情も掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社GA technologiesオンライン不動産マーケットプレイス「RENOSY」:プレスリリース
20代〜30代の投資割合・貯蓄割合
2022年時点での最新の国税調査報告「証券投資に関する国税調査」の結果によると、20代で投資を始めている人は全体の約10%程度。
< 20代の投資割合(男女比) >
- 20代男性のうち、投資をしている人は5%ほど(90%弱が貯金)
- 20代女性のうち、投資をしている人は1%ほど(90%以上が貯金)
〜30代の投資割合は、以下の結果となりました。
< 30代の投資割合(男女比) >
- 30代男性のうち、投資をしている人は10%ほど(80%超が貯金)
- 30代女性のうち、投資をしている人は5%ほど(90%以上が貯金)
20代〜30代で投資を始めることができれば、老後までに多くの時間が取れるので資産形成におけるメリットが多いです。
20代〜30代の「貯蓄額の割合」
2021年1月に金融広報中央委員会が発表した報告書「家計の金融行動に関する世論調査」では、1人暮らしの貯金額0円の人と貯金額1,000万円以上の人たちの割合について調査。
20代〜60代は以下のような回答となりました。
<1人暮らし20代〜60代の財形貯蓄>
貯蓄額0円 | 貯蓄額1,000万円以上 | |
20代 | 43.2% | 1.7% |
30代 | 31.1% | 9.1% |
40代 | 35.5% | 17.3% |
50代 | 41.0% | 20.2% |
60代以降 | 29.4% | 29.4% |
貯蓄額1,000万円以上は、年代が上がるごとに割合も多くなる結果です。しかし、貯蓄額0円は、年代ごとに大きな差がない結果となっています。
20代が投資デビューしたときの銘柄種類・割合
楽天証券の調べによると、株式投資をしている20代は以下のような銘柄を購入したことがわかっています。
また、投資を始めたときの買付平均額の割合も紹介します。
<20代で投資を始めた人が最初に買った銘柄>
- インデックスファンド(投資信託/積立投資)
- 国内株式(現物)
- 米国株式
以下は、投資を始めたときの買付平均額の割合です。
<投資デビューしたときの各銘柄の平均買付額の割合>
- インデックスファンド(積立型) : 約3万円
- インデックスファンド(スポット型) : 約12万円
- 国内株式(現物) : 約24万円
- 米国株式米 : 約17万円
初めて投資するときにもっとも購入された割合が多かったのが、インデックスファンド(投資信託)でした。なかでも「つみたてNISA」は特に投資者割合が多いので、迷ったらつみたてNISAなどがおすすめ。
投資割合を考える前に銘柄を選ぶ「モノサシ」を持とう
銘柄を選ぶときのモノサシとは、良い金融商品・悪い金融商品・良い銘柄などを判断する「判断基準」のことです。
収入に対して、どのくらいの割合の投資をしようかを考える前に、各銘柄の利回りなどを比較する「判断基準」を持つことが大切。
例えば、なにも判断材料・判断基準となるデータや資料がないと、「年利4.3%のファンドに投資してみませんか?」と聞かれたときに「良いのか、悪いのか」分かりませんよね。
そこで、「1つの指標・判断基準・モノサシ」としておすすめなのが以下の銘柄・情報です。
< 銘柄を選ぶときに参考になる判断材料 >
- S&P500の年利 : 8.62%(2002〜2021年のCAGR(年平均成長率))
- オールカントリー(全世界株式)の年利 : 7.63%
- 1974年の「郵便貯金(ゆうちょ)銀行」通常貯金の金利 : 4.32%
参考:Yahooニュース:100年以上にわたる郵便貯金の金利推移をさぐる
上記のデータを参考にすると、「年利4.3%で運用しませんか?」というお誘いは、国内で比較すると悪くないけど、世界的に見ると良くない。という判断ができますね。
投資割合を決めることも重要ですが、今後は投資したい銘柄を見つけたときに上記の「判断材料」をもとに「銘柄を選定」していきましょう!
20代〜30代に最適なポートフォリオ
ポートフォリオとは、中長期的に資産形成・資産運用していくために欠かせないリスク度合いの把握や目標金額を達成するための、投資割合を示した表・グラフです。
例えば、リスクを下げたい人にはリスク割合が低い「国内債権」に多く投資したポートフォリオがおすすめ。逆に、リスク許容度の高い人には、先進国株や国内株式への割合が多いポートフォリオがおすすめなど、人によってさまざまです。
一般的には、会社員をしている1人暮らしの若い人ほどリスク許容度は高く、50代以降家と家族のいる個人経営の人ほどリスク許容度は低くなる傾向にあるので、こちらも覚えておきましょう!
なお、20代〜30代の多くの人に該当するおすすめのポートフォリオとしては、複数の資産クラスに分散投資したポートフォリオ。
具体的な銘柄で説明すると、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)インデックスファンド」などです。8資産均等型のポートフォリオは、以下のような投資割合で分散投資してくれます。
国内外の債権、REIT、個別株式などに均等に分散することができるので、幅広い年齢やライフスタイルに合わせることのできる銘柄と言えるでしょう。
なお、年齢の変化やライフスタイル、家族構成の変化などによって都度ポートフォリオは作り直すことが必要です。定期的に現在の自分の財経状況に合っているかを見直しながら、無理のない範囲で資産運用していってください。
20代〜30代の投資割合・貯蓄額・ポートフォリオ
20代〜30代の投資割合は、男女を含めてもっとも多いカテゴリーで「30代男性10%」ほどが投資に取り組んでいる状況でした。なお、友人・知人との会話では多くの人が投資に関する話を話題に出していることがわかっています。
貯蓄額に関しては、年代が上がるにつれて会社員としての役職や年収が上がるので、貯蓄額も増えていく傾向にあります。
また、20代〜30代ではリスク許容度が高いので株式などを多く含めたポートフォリオがおすすめの人。家族がいる関係から、債権などを多めに保有したポートフォリオがおすすめな人などさまざまです。
今回の記事を参考に、ぜひ自分にピッタリな投資割合やポートフォリオを作っていってください。
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